化粧品に対する消費者心理と期待感

化粧品はイメージや夢を売るモノ、というセリフも存在するほど、心理的要素を大きく蓄えた商品です。有名なマーケティングの話ですが、あるメーカーが安価に開発・作成できた口紅をその費用に比例した安価な値段を付けて売り出しとところ、期待に反して全く売れなかったのです。そこで次に、商品の品質はそのままに価格を数千円上げてもう一度売り出すと、今度は飛ぶように売れ、あっという間にヒット商品になったというのです。この例から読み取れるのは、口紅というものに対する消費者心理です。安い口紅じゃキレイになれない、というイメージの刷り込みが既に市場にあるのです。口紅に限りませんが、女性が化粧品を使うとき、高価なものを使っているというプライドや、このクリームこんなに高かったんだから効かないわけがないという期待感を同時に味わっているのです。また、プライドや期待感は美容にポジティブに働くことも実際あり、そうそう批判するものでもないのです。薬剤と同様、いえ、それ以上にプラシーボ効果が高い商品といわれる所以です。化粧品の価格のうち内容物の実費は1割程度で、あとは開発費、容器や箱のデザイン料と実費、そして広告宣伝費が占めているということをご存知でしょうか。でも知ったとしても、化粧品に対する消費者心理は変わらないでしょう。それはキレイになりたいという期待感と分かちがたく結びついているからです。